哲学/倫理学セミナー








第二六回
「歴史の持つ力」 佐藤 香織


 レヴィナスは、一貫して「歴史」という概念を否定的に 扱っている。「歴史」とは「出来事を一つの体系に回収す ること」を意味しており、体系に回収することの力を彼は 「暴力」と呼ぶからである。ただし、彼は「歴史」を単に否 定的に扱うのではなく、「歴史」の持つ力を一方で認めつつ、 「歴史」に回収され得ない事柄の次元を浮き彫りにしようと する。「歴史」に回収されないものは、『全体性と無限』に おいては特に「内面性」および「終末論」の議論において、 『存在の彼方へ』においては、「感受性」および「語ること」 の議論において確保される。また、「歴史」の持つ力を認め る論として、彼による「正義」の概念を検討することが必要 となる。  本発表は、「歴史」および「歴史に回収され得ないもの」 の内実を明らかにし、一方で「歴史に回収されえないもの」 の様々な位相どうしが「歴史」の次元を通じて関連している ことを明らかにすること、しかし他方で、「歴史」が「暴力」 でありながらも人間にとって必要であることを認めつつ、 「歴史」と相関的に語ることのできない「歴史に回収されえ ないもの」の次元を確保する方法および意義を検討すること を目的とする。






【参考文献】
  • レヴィナス『全体性と無限』合田正人訳
    (国文社)
  • レヴィナス『存在の彼方へ』合田正人訳
    (講談社学術文庫)
  • レヴィナス『聖句の彼方』(「シオニズム」の部分)内田樹訳
    (法政大学出版局)
【お問い合わせ】 pe-seminar@mail.goo.ne.jp
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【日時】
2005.7.30
14:00〜17:00
【場所】
文京区民センター
3-D会議室
※参加無料
皆様ご自由に
ご参加下さい。
【関連リンク】
悪と暴力の倫理学
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