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第二六回
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「歴史の持つ力」 佐藤 香織
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レヴィナスは、一貫して「歴史」という概念を否定的に
扱っている。「歴史」とは「出来事を一つの体系に回収す
ること」を意味しており、体系に回収することの力を彼は
「暴力」と呼ぶからである。ただし、彼は「歴史」を単に否
定的に扱うのではなく、「歴史」の持つ力を一方で認めつつ、
「歴史」に回収され得ない事柄の次元を浮き彫りにしようと
する。「歴史」に回収されないものは、『全体性と無限』に
おいては特に「内面性」および「終末論」の議論において、
『存在の彼方へ』においては、「感受性」および「語ること」
の議論において確保される。また、「歴史」の持つ力を認め
る論として、彼による「正義」の概念を検討することが必要
となる。
本発表は、「歴史」および「歴史に回収され得ないもの」
の内実を明らかにし、一方で「歴史に回収されえないもの」
の様々な位相どうしが「歴史」の次元を通じて関連している
ことを明らかにすること、しかし他方で、「歴史」が「暴力」
でありながらも人間にとって必要であることを認めつつ、
「歴史」と相関的に語ることのできない「歴史に回収されえ
ないもの」の次元を確保する方法および意義を検討すること
を目的とする。
【参考文献】
- レヴィナス『全体性と無限』合田正人訳
(国文社)
- レヴィナス『存在の彼方へ』合田正人訳
(講談社学術文庫)
- レヴィナス『聖句の彼方』(「シオニズム」の部分)内田樹訳
(法政大学出版局)
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